「私たちが『世界(世の中全体)』と認識しているものは
性質の異なる2つの側面から成り立っている」


古代より、多くの賢者が同じような指摘を行っています。


1つは、流れを持ち、変化を生じ、相対的な理によって成り立っている側面。

そしてもう1つは、蓄積し、安定し、絶対的な理によって成り立っている側面。


仮に前者を「フロー(流れ)の側面」、後者を「ストック(蓄積)の側面」と呼ぶことにします。


この2つの側面に気づいた賢者たちは、様々な名称を用い
世界(世の中全体)というものの2つの側面の概念化を試みてきました。


例えばこんな風に。


フローの側面  ストックの側面
相対界 絶対界
有の世界 無の世界
この世 あの世
変化の世界 安定の世界
我(アートマン) 梵(ブラフマン)
明在系 暗在系
イデアの影 イデア
実時間 虚時間
名のある領域 名の無い領域



私たちが今生活し、「現実」と認識しているものはフローの側面。
無常なる変化の側面です。

そしてそれとは別の目に見えない世界(ストックの側面)について、
非常に多くの賢者がその存在を指摘しています。


また、この2つはそれぞれ別々のものではなく、
1つの世界を成り立たせている相互に関連しあう異なる側面なのだと、
多くの賢者たちはその特性を説いています。


フローの側面の基本的な特性は「変化」です。
その変化によって次々と新しい情報が生まれていきます。

それらの情報は、ストックの側面にすべて蓄積されていきます。
ストックの側面に蓄積された情報の一部は、フローの側面にフィードバックされ
フローの側面を動かす原資(源)となっていくのです。



このフローとストック、2つの側面について
賢者たちは次のような表現を用い、説明を試みています。



「名のある領域と名のない領域は、同じ源から出ている」
「万物の根源に、万物を万物として成り立たせている、ある『存在』がある。それが『道』である」
「『道』は『無』としか言いようのな存在だが、それがあることによってはじめて万物が生み出され、万物が万物として機能することができる」

老子

「梵我一如(宇宙の原理と自我の根底に在る存在は同一である)」

古代インド・ウパニシャッド哲学

「すべてのものは『一』から出て、『一』に帰する」

法華経

「この世を越えたところ(イデア界)に真実があり、この世界はその影である。この世界は不完全であるが、この基準となる絶対の真実は別次元に存在する」

プラトン

「宇宙には、安定と変化の2要素があり、共存している」

マハリシ

「実時間での宇宙の歴史は虚時間の歴史を決定し、また逆も同様です」

「虚時間をともなう数学的モデルは、私達がすでに観測して知っている結果だけでなく他の理由から存在を信じているが、いまだ測定できていない結果さえも予測できることがわかりました」
「虚時間方向には、宇宙はとくに、始まりや終末を必要としているわけではありません。虚時間は、空間的な方向と同じように、つまり次元がもうひとつ増えたかのように振舞います」

S.ホーキンス

「宇宙は2重構造になっており、物質的な明在系の背後に、もう1つ目に見えない暗在系が存在する」
「ふだん私たちが生きている、目に見える「この世」のほかにもう1つ目に見えない「あの世」があり、この両方が表裏一体となってできている」

「宇宙の根っこにつながる生き方」天外伺朗

「いま有る存在はみな、無い中に戻っていく。そしてそれはふたたび「有」の存在の方へ「名のある領域」へ反転していく」

「神との対話」ウォルシュ

「実際のところ全世界は、一つにまとまろうとするものの、影のような存在にすぎない」

「ダイアローグ」デビッド・ボーム

「生あるものは死滅するが、生命を生命たらしめているものは永遠不滅である。形あるものはその実体を有するが、形あるものを形たらしめているものは何ら実体をもたない、現象としての生命形態、音声、色彩、味覚の根源にあって、『無』がそれを主宰しているのである」

列子

「すべての究極的な根源を『一者(ト・ヘン)』と呼ぶならば、それは何らかの性質を持つわけでもないし、量もない。知性でもなければ精神でもない。しかし一者は太陽のように万物を生み出し続ける」

プロティノス

「『向こう側』には何かあります。私たちの知覚を超えて、かつて神秘的で居心地のよい存在あるいは力と呼ばれていた何かがあります」
「古代の伝統では、『創造元』から『神のスピリット』に至るまで、様々な名前で呼びながらも、この存在に気づいていました」

「祈りの法則」グレッグ・ブレーデン

「あの世は止まっている状態と呼べます。この現実界だけが、変化できる場でもあります」

「内在神への道」伊勢白山道

「この世界は幻影である。一者(愛、あるいは光、あるいは神、あるいは空、あるいはスピリット)だけは、実在(リアル)である。この世界は、一者である」

ケン・ウィルバー

「存在するもの全ては、私たちが神と呼ぶ一つの生きた存在の顕現である」
「人間の知覚は、単に光を感受している光にすぎない」
「物質は鏡である。全ては光を反射する鏡である」

「四つの約束」ドン・ミゲル・ルイス

「すべてのものは隠された半面をもつ」

「無意識の構造」河合隼雄

「あなたは、目に見える世界がすべてだと思っておられませんか。違います。我々が生きている世界に見えない世界が重なっているのです。見えない世界、霊界は、想念の世界です。人それぞれの思いにより作られており、その人その人で異なります」

「この宇宙は、見える部分と見えない部分から成り立つ。一番初めの状況は、真っ暗闇の中で見えない世界が飽和状態になって見える世界にぽんと出てきたところから始まる。見える世界と見えない世界の間の真空が接して膜が裂けてでてきた」

「如と真は、一対である。どちらを取ることもできない。全部ひっくるめて虚である。虚の世界が実相である。虚の世界と実の世界がなければ、この地球の生命体は成り立たない」

「『大いなる光』から人類へ」
樋口雄三・アマノコトネ


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